流刑地

作品の感想とか諸々、ネタバレありです。

降らない雪

土地柄めったに雪はふらない。
ただ乾燥した優しさのない風が人としての体温や感情を削っていく。
なにもなかったように過ぎていく毎日はいつか来ることを怯えていた明日の残骸で、今はやがてくる明日に怯えて身動きできない。そんな毎日。
このままではいけないのはわかってるけど、なにもできなくて、たいして残ってもいない気力でやりくりしている。
生きているのも死んでいるのも変わらないのであれば、無理して死ぬ必要もない。
美味しく煙草が吸えたのはいつだったのか。
自分に似合う場所があるはずと期待してしまう。
ずっと埋まらない空っぽの心はいつか埋まるのだろうか。
きっとどんな期待も裏切られるのさ。
何が言いたいかって言うと、何も言えないんだよ。