流刑地

作品の感想とか諸々、ネタバレありです。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

エピローグ ~親しき仲間へ~

どん底にいる感覚に陥っている。 思い浮かぶ情景は雨である。 ただその自分のどん底の程度なんてたかが知れたもので、まだまだ沈んでいく余地があるのだ。コロナの長期化に伴って人類の余裕みたいなもの は確実になくなった。 ただそのなくなった規模が大き…

境界線上の

生きてるのか死んでいるのか。 辛いのか辛くないのか。 そう聞かれればわからないと答える。 楽しいと思えてたことがつまらなくなって、空白みたいな休日が増えた。 空の高さを気にすることが減った。 白い息を吐いてやっと寒さに気がついた。 熱いものを飲…

降らない雪

冬といっても私の地域では雪は滅多に降らない。降っても翌日には泥と合わさってぐちゃぐちゃになる程度しか降らない。 雪が降る冬というのは素敵な思い出ができるものなんだろうなと夢想している。それは良し悪し関係なく。 だから私の冬はどこまでも寒いだ…

君の話

君の話 (早川書房)作者:三秋 縋発売日: 2018/07/31メディア: Kindle版「君は君の不幸の中で幸福なのだ」というフランツ・カフカに宛てた友人の手紙の中に書かれていたフレーズを三秋氏はインタビューで引用していたけれど、 スターティングオーバー、三日間…