流刑地

作品の感想とか諸々、ネタバレありです。

フロントメモリー

梅雨がさっさと明けて、熱気が纏わりつくような嫌な陽気に紫陽花が日陰で所在なさそうに咲いている。
思えば転勤してきて一年が経つ。
色々あった気がするが、別段一歩前に進んだようにも思えない。
くだらない揉め事に巻き込まれて、そんなのばかりだ。
たいして高度な事をしているわけでもないのに
、みんな自分にスポットを当てたがる。
退屈なんだろうな と決して回ってこないスポットライトの行先を見ながら、誰かを慰めるような。
スポットになんて当たりたくない、ただ巻き込まないで欲しい。
田んぼで叫ぶわけでもなく、スリーポイントを放つわけでもない。振り返ればなんの意味があった一年だったんだろうと思うと惨めにはなる。
一歩進んだのは年齢くらい。
私のフロントメモリー
頑張る必要があるのかどうか、その答えもあの陽炎の中に消え去るのだろう。