流刑地

作品の感想とか諸々、ネタバレありです。

冬の花、枯れて

春の桜も散った。
木々が緑に色付き始めた。
毎日峠を越えて通勤してると、より季節の変わり目が視覚化される。
季節を越えると、まだ生きているんだ、なんて思う。
喫煙というぬるい自傷行為を繰り返して、紙タバコ自体の文化もゆっくり死んでいこうとしている。
知らない間に好んでいたタバコの銘柄が無くなっていた。
ラッキーストライクのなんていう名前なんだろう。
よくわからずに吸ってたんだな。
ぬるく、ゆっくり、春の日差しの中にいるように、色んなものが死んでいく。
自分の好きなものさえも、自分よりも先に死んでいく。
どうして好むものは終わっていくものばかりなんだろう。
どうして自分ばかり残されるんだろう。
流行みたいなのに飛びついていれば、こんな気持ちにならないんだろうけど、そうできないのはもうそういう性だから。
失っていくのが自分の人生だから。

新しく買ったタバコがいまいちしまらなくて、それでも今日もぬるく、ゆるく自傷行為を繰り返す。